8086 2018 3 10
「8086」というと、
いったい何の数字かと思うでしょうが、
これは、コンピューターのCPUの名称です。
インテル社のCPUに、そういう名称がついていました。
インテルは、1968年に創業しましたので、
今年は、創業50周年となります。
世界初のCPU「4004」が登場したのは、1971年です。
インテルの歴史というよりも、CPUの歴史を
「週刊アスキー特別編集号」(2017年12月15日)で見てみましょう。
世界初のCPU「4004」は、4bitのCPUで、
電卓を作っていた日本のビジコン社との共同開発でした。
製造プロセスは、10マイクロメートル、つまり0.01mmでした。
今や、この製造プロセスは、
「原子」レベルに近づいていると言われるので、
当時の製造プロセスは、今と比べると非常に大きなものでした。
その後、「8008」で8bitに進化して、
さらに改良版の「8080」となりました。
この「8080」を16bitにしたのが、「8086」でした。
いわゆる「86系」と言われる現行のCPUは、
すべて「8086」が基になっています。
「8086」は、「80286」に進化した後で、
「80386」で32bitになり、さらに「80486」に進化しました。
その後、インテルのCPUは、「Pentium」というブランド名になり、
CPUの名称から数字は消えてしまいました、
しかし、インテルのCPUのルーツは、「8086」にあります。
「Pentium」は、「Pentium2」、「Pentium3」、「Pentium4」へ進化しましたが、
大きな問題に直面してしまったのです。
クロック周波数は、「Pentium4」で3.8GHzまで達しました。
CPUが高速化することによって、発生する熱は大きく増えて、
高熱化したCPUで「目玉焼き」ができるとまで言われるようになったのです。
そこで、インテルは、コア(シングル・コア)の高速化に見切りをつけて、
マルチ・コア、つまりコアの数を増やす方向になったのです。
これは、インテルにとっては、大きな変革だったと思います。
さて、今は、2018年です。
パソコンやサーバー用のCPUは、成熟産業になってしまいました。
これからの時代は、車載用のCPUでしょうか。
それとも、IoT用のCPUでしょうか。
インテルにも、「第二の創業」が必要になっています。
マイクロソフトは、いつの間にか「第二の創業」を成功させ、
大きく変貌しています。
多くの人は、マイクロソフトの「第二の創業」に気づいていませんが、
それは、明白に成功したと言えるでしょう。